サン・アートに見る社会主義国家ベトナムにおける芸術的政治学
ベトナムの南と北の首都 人口約800万人を抱えるベトナム社会主義共和国最大の商業都市ホーチミン、旧名サイゴン。かつての南ベトナムの首都が解放/陥落され、北ベトナムの英雄の名を冠された1975年から40年余を過ぎても、「ベトナム」と聞くと即「戦争」を想起させるほどの破壊的なイメージを流布させた内戦と冷戦は、同地では皮肉にも「アメリカ戦争」と呼ばれている。戦争の歴史が刻まれた統一会堂や戦争証跡博物館に並んで、フランス統治時代の面影が残る街並は、2018年に開通予定の地下鉄やらビルやらの工事現場で遮られ、慌ただしく行き交うバイクの騒音と路上で商う人々が発する南国的な開放感で満たされ、ここが東南アジア … 続きを読む サン・アートに見る社会主義国家ベトナムにおける芸術的政治学