27/05/2016

アラフマイアーニ (インドネシア) への民主主義にまつわる十の質問

名前と肩書きを教えてください。 アラフマイアーニ。インドネシアのアーティストです。 より詳しく自分について話してください。 「クリティカル」と「マージナル」という単語は、わたしを理解するうえで重要な単語だと思います。子どもの頃からなぜかわたしは、自分の置かれた状況に対し、とてもクリティカル(批評的)な目を持っていた。そのせいで、わたしはよく「自分はまちがえた場所に生まれおちた」と思って、子どものころ泣きじゃくっていました。わたしはいつでも社会の暗部を眺めてしまう、どれほど平和に思える環境にあっても抑圧された苦しみを見抜いてしまう傾向があるんです。ですからバンドンで過ごした少女時代、わたしは自分 … 続きを読む アラフマイアーニ (インドネシア) への民主主義にまつわる十の質問

31/01/2016

インドネシア・レポート 第一部 /
西洋型「デモクラシ」と村落型「ムシャワラ(談合)」の矛盾

インドネシアの民主主義と現代芸術(特に身体をもちいた芸術)の連関性を調査する。厄介な視察課題であることは百も承知だった。すこしでもインドネシアに関する知識をお持ちのかたなら、この一文にはすでに、さまざまな概念的摩擦が含まれていることがおわかりだろう。まず、インドネシアという世界第4位の人口を誇る多民族島嶼国家の政治状況を、まるでひとくくりにできないという問題。第二に、コンテンポラリー・アートという横文字の概念が、かつての植民地国家において、なにを包括し除外するのか、という問題。そして第三に、「民主主義」というやはり西洋からの輸入概念であり、特にスハルトの軍事独裁以後、乱用・悪用されてきた政治ロ … 続きを読む インドネシア・レポート 第一部 /
西洋型「デモクラシ」と村落型「ムシャワラ(談合)」の矛盾

29/01/2016

インドネシア・レポート 第二部 /
現在進行形の1965年と「ラキアット(人びと)」の権利

状況は、スカルノの退陣でさらに悪化する。1965年9月30日、当時、陸軍大臣兼陸軍参謀長であったスハルトは、軍事クーデターを計画実行し、翌年2月、第二代インドネシア大統領の座に就く。彼は、みずからの政治的立場を安定させるべく、スカルノの支持基盤であったインドネシア共産党員とその同調者とみなされた中華系民族、インテリ層、労働組合メンバーなどをパージしはじめる。このパージには、西側諸国も影で助力したとも言われている。結果スハルトは、1年未満でなんと約100万人にも及ぶ括弧付きの「共産党員」を虐殺する。2016年現在も、犠牲者の遺族たちは、政治中枢で権力の座に就くリーダーたちに怯えて暮らしている。中 … 続きを読む インドネシア・レポート 第二部 /
現在進行形の1965年と「ラキアット(人びと)」の権利