Scene/Asia ワークショップ&アッセンブリー (レポート)
2月28日にScene/AsiaアッセンブリーがSHIBAURA HOUSE 5階で行われました。
今回のアッセンブリーは、日本の若手アーティストを集め、25日から4日間にわたって行われたワークショップで得られた刺激や気づきを共有し、議論を深める場として設けられたものです。
冒頭は岩城京子・相馬千秋による、Scene/Asiaの活動および、ワークショップの報告。これまでのフィールドワークや、今回のワークショップの特別講師、チャン・ルーン氏のレクチャーから得た、アジアにおける身体的なリサーチやプロセスの重要性に触れた後、ワークショップの中で浮上してきた「言葉の限界点」「異郷における芸術の倫理観」「空間と場所のアイデンティティの関係性」「フィクションとドキュメンタリー」などの中間議題が紹介されました。
参加アーティストとチャン氏が、簡単な自己紹介とワークショップを通じて感じたことを発表した後は、議題ごとに三つのテーブルに分かれ、来場者も交えたディスカッションが行われました。「感情回帰の有効性と限界」、「他者/他所と倫理観」、「未来のアイデンティティ」と題された各テーブルの問いは、中間議題から発展させたものです。
身体的な性質が全くない抽象的な概念に関する討論に、参加者、来場者共に苦しむ面もありましたが、各テーブルでの議論は、それぞれが切実に捉えている「今直面しているリアリティにどう対応していくか」という問題を、改めて様々な視点から見直す機会にもなりました。
また、それをアートコミュニティにおける対話のみならず、アッセンブリーというもっと広いコミュニティで討論し、共有したことは、アーティストはもちろん、多くの参加者にとって、次のアウトプットへとつながるものとなったのではないでしょうか。
(芝田遥/芸術公社 インターン)